共有名義の不動産を売却する際の注意点とは
不動産は、複数人に所有権が帰属している「共有」という状態になっている場合があります。この場合、当該不動産は「共有名義」の状態になっています。そのため、共有者全員の同意を得られないと処分、つまり売却をすることができません。
共有名義の不動産を売却するタイミングとして、離婚する場合の共有財産の売却や、相続によって不動産を共有することになった場合が考えられます。
このような場合には、単独名義の不動産を売却する場合とは違った注意点が存在します。
以下、売却の方法や注意点について見ていきましょう。
■共有名義の不動産を売却する方法
共有名義の不動産売却には、大きく分けて3つの方法があります。
そのすべてにおいて、名義人全員の意思確認と書類および同席が必要になってきます。
●共有名義者全員の了承を得る
まずは、もっとも基本的な方法として共有名義者全員の許可を得ることが考えられます。
もっとも、一人でも許可を得られない者がいる場合にはこの方法を用いることができません。
●自分の持分のみを売却する
共有持分割合(自分の所有している割合)に対応する部分のみを売却することも考えられます。この場合、他の共有名義者の許可は必要ないので、自分の意思のみで売却をすることができます。
もっとも、自分の持分を観念できるのは土地のみであり、建物は分割ができないためこの方法が使えません。また、共有持分のみを譲り受けたいという者はあまりいないと考えられるため、実際に使える場合は少ないです。
●名義変更して所有者の統一を行う
他の共有持分権者の共有持分割合をすべて買い受けるという方法を取れば、不動産が単独名義に変更されるため自由に処分をすることができます。
もっとも、買い受けの資力が必要であり、また売り渡しに応じない共有者がいることが考えられるという問題があります。
■売却の際の注意点
●書類の用意に脱漏がないようにする
共有名義の不動産を売却する際には、以下の書類が必要になります。
①権利証(登記識別情報)
②土地測量図及び境界確認書
③身分証明書・印鑑証明書・住民票・印鑑
この中で特に注意が必要なのは③で、共有持分権者全員のものが必要になることに注意が必要です。用意を忘れないようにしておきましょう。
●名義をしっかりと確認しておく
共有名義の不動産を売却する場合、共有持分権者が誰であるのかをきちんと把握しておく必要があります。
離婚の際夫婦で共有していた不動産を売却する場合や、親子共有名義の不動産などは共有持分権者が誰かわかりやすいですが、一方で相続された不動産については思いがけない共有持分権者が現れる可能性もあるので注意が必要です。
また、共有持分権者がわからない場合は、不動産会社等の手を借りる必要がある場合もあります。
●税金やローン返済に注意する
まず、税金について、不動産を売却した際には譲渡所得税と呼ばれる国税を支払う必要があります。
次に、ローン返済についてですが、住宅ローンが残ったままでは不動産に抵当権が設定されている状態になるため、売却をすることができません。売却前にローンを返済しておく必要があります。
売却価格からローンの返済を行うことも可能ですが、その際には査定価格を確かめておき、返済額よりも売却価格が小さいという事態を避けることが必要です。
共有持分権者のうち誰がローンの返済を行うのかも、事前に決定する必要があります。
共有名義の不動産を売却する際には、多数人の利害関係が絡み複雑な問題になることも多いため、プロフェッショナルへの相談をお勧めしています。
弁護士 斉藤 潤(新緑虎ノ門法律事務所)は品川区、大田区、目黒区、港区を中心に一都三県で不動産の売買、賃貸管理、その他建物に関する法律問題を中心に一般民事や家事事件に関して幅広く対応しております。
一般民事事件に関して豊富な経験と知識を有する弁護士が在籍しておりますから、何かお困りの事がございましたら当事務所までお気軽にご相談下さい。
当事務所が提供する基礎知識
-
住宅ローン問題の解決...
住宅ローンが支払えなくなってしまったような場合にはどうしたらよいでしょうか。住宅ローン問題の解決方法としては主に3つの方法があります。 ■返済条件の変更住宅ローンの返済が困難になってしまった場合にはまずは住宅ロ […]
-
購入した不動産が欠陥...
欠陥住宅という問題は、以前から一定数見られてきましたが、近年その数は増加してきました。その背景には様々な要因があると考えられますが、建売による住宅の流行及びその反動として住宅リフォーム・紛争処理支援センターをはじめとする […]
-
リフォーム工事におけ...
マイホームのリフォームをしてもらったが、トラブルが発生してしまい、工事を請け負った会社と揉めてしまうというケースは少なくありません。このような事態になってしまった場合には、まずは弁護士に相談をすることをおすすめします。本 […]
-
共有不動産の分割の問...
■共有物の分割方法・共有物分割協議 各共有者は、いつでも共有物の分割を請求できます。(民法第256条)不動産を分割したいと思った場合にはまず他の共有者に対して共有物分割したい旨の連絡をして共有物分割協議を行うようにしまし […]
-
マンション購入前に確...
マンションは集合住宅であるため、さまざまな区分所有者の快適な居住環境の実現とトラブル防止のために、管理組合が存在し、管理規約が定められています。管理規約は個々のマンションで異なる取り決めをされていますが、区分所有法などの […]
-
売れない土地を相続し...
遺産相続において、特定の土地だけ相続しないということはできないので、売れない土地についても、他の資産と併せて相続しなければならないことになります。 資産価値のない土地を相続してしまうと、処分しない限り固定資産税 […]
よく検索されるキーワード
“相談しやすい弁護士”を目指しています
不動産売買・賃貸管理・建物に関する法律問題はお気軽にご相談ください。
常にご相談者の立場に立ち、親身に迅速に対応いたします。
弁護士紹介
-
- 弁護士
- 斉藤 潤(さいとう じゅん)
-
- 所属
-
- 東京弁護士会
-
- 経歴
-
〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇
〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇
〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇
〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇
〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇
事務所概要
事務所名 | 新緑虎ノ門法律事務所 |
---|---|
所属 | 東京弁護士会 |
弁護士 | 斉藤 潤(さいとう じゅん) |
所在地 | 〒105-0001 東京都港区虎ノ門1-11-14 第2ジェスペールビル202号 |
電話番号 | 03-3500-4366 |
対応時間 | 平日 10:00~18:00(事前予約で時間外対応可能) |
定休日 | 土・日・祝(事前予約で休日対応可能) |